ブラック企業だなんだほざいているが、本当は全部置いてただ逃げ出したいだけなんじゃないだろうか。
ああだこうだと悪態をつくだけならバカでもできる。
文句だけで何かを改善しようとする努力を怠っていたのは自分ではないか。
客に罪はない。が、自分の退職によって最も被害を受けるのはきっと客であろう。
なら、罪の所在は自分なのか?
とんでもなく悪いことをしている気分だ。
ドス黒い気分だ。
毎日こんなことを思っていた。
が、ある時心の中のジャイロが暴れだした。
ブチャラティも暴れだした。
大統領もこう言っている。
そうだ、納得できないから辞めるんだ。
最低賃金スレスレの基本給にも、入社式までそれを隠し通してきたことにも、残業代が出ない事にも、無賃出勤にも、無意味な研修にも、パッショーネもびっくりするほど腐り切った組織にも。
自らの成長のためだ、金のためだと何らかの形で納得さえできるならば我慢はできる。
が、何一つとして、自分を納得させられなかった会社が悪い。ビジネスマナーだの約束だのを守れと言うならまず労働基準法を守れ。諸悪の根源は会社だ。散滅すべし。
それに、自分は夢を諦めるにはまだ若すぎる。ジョルノだってわずか10日前後でギャングスターになったではないか。
ここで諦めたら自分を育てた周囲の人々に申し訳が立たない。
自分の人生だ。
他の誰でもない、自分だけを納得させたい。
心と行動に一点の曇りも残さず、正しいと信じる道を歩いていきたい。
その為の行動なら全てが正義だ。
生き返ったかのようにとんでもない活力が湧いてくる。
ジョジョは悪に対しては非情であるが、前に進もうとする人間のメンタルを極限まで強固なものにするのだ。
傍から見たらとんでもないマインドセットであるとは思うが、書いてる自分はアドレナリンでガンギマリである。
明日も遅刻ギリギリの打刻をキメてやるという強い覚悟が芽生えた午前0時であった。
正直、一連の出来事が正しかったかどうかなんてまだまだ分からない。
が、本気で心配してくれていた友人達が自分の退職を聞いた時に浮かべたあの笑顔を思うに、少なくとも今はこれでいいんじゃないかと思う。
とにかく、退職前夜にくよくよしていた自分にジョジョは最適であった。
新卒無職の奇妙な冒険が始まろうとしている。
残り出勤日数、1日。